こだわりアカデミー
いいおもちゃは、見る力や聞く力、コミュニケーション 能力などを、身に付けるための手助けをしてくれるんです。
いい「遊び」や「おもちゃ」で、生きる力を身に付ける
東京おもちゃ美術館館長
多田 千尋 氏
ただ ちひろ

1961年東京都生れ。明治大学法学部卒業後、プーシキン大学(ロシア)に留学。科学アカデミー就学前教育研究所、国立玩具博物館研究生として幼児教育・児童文化・おもちゃなどを研究。芸術教育研究所所長、早稲田大学講師、TBSラジオ子ども電話相談室回答者なども務める。また、同氏が理事長を務めるNPO法人日本グッド・トイ委員会で、「おもちゃコンサルタント」の養成に務めるほか、乳幼児教育・子ども文化、高齢者福祉・世代間交流についても研究・実践している。著書に『世界の玩具事典』(共著、岩崎美術社)、『グッド・トイで遊ぼう』(共著、黎明書房)、『おもちゃのフィールドノート』(中央法規出版)、『先生も子どももつくれる楽しいからくりおもちゃ』(共著、黎明書房)など多数。
2008年10月号掲載
多田 ええ、現代のおもちゃの問題は、食の問題とも似ています。ファーストフードは手軽で、子どもの味覚を満足させますが、カロリーが高く、いろいろな問題がある。現代のコンピューターゲームなども、手軽に刺激や興奮が得られる一方、それが過度なものになってしまっている・・・。
──確かにその通りですね。しかもコンピュータゲームは日に日に新しく、刺激の多いものになっている・・・。
多田 そこで、私達は、見る力や聞く力、感じる力、コミュニケーションする力など、人間が生きる力を身に付けられるよう手助けしてくれるおもちゃを「グッド・トイ」として、そうしたおもちゃを紹介していきたいと考えているんです。
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ヒノキのボールがいっぱいの「木の砂場」 |
また、そうした情報を世界に発信できるようにして、世界各国で「おもちゃサミット」のようなものをいずれ開催したいと考えています。
──優れたおもちゃというのは、そうした力を育むものなんですね。
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「おもちゃこうぼう」では、家庭で簡単にできるおもちゃづくりを紹介している |
また、おもちゃや遊び、子供に大きな関心を向けることができるのは、平和であるということでもある。
「おもちゃサミット」の開催と今後のご活躍をお祈りしております。
本日はどうもありがとうございました。
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『遊びが育てる世代間交流』(黎明書房) |
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