こだわりアカデミー
欧米などの先進国では、 ほとんどが自転車利用を優遇することを国策としています。
自転車の利用促進で、日本の明るい未来をつくる
博士(工学) 麗澤大学客員教授・京都大学大学院講師
古倉 宗治 氏
こくら むねはる

1950年大阪府生まれ。74年東京大学法学部公法学コース卒業。建設省(住宅局、都市局、官房、近畿地方建設局、道路局および建設経済)、国土庁(土地局)ならびに総務庁勤務。この間、89年東京工業大学工学部助教授(都市計画)、92年(財)民間都市開発推進機構都市研究センターに出向、その後2003〜08年(財)土地総合研究所理事兼調査部長等を経て、現在に至る。05年東京大学大学院工学系研究科博士(工学)取得。自転車の総合的体系的な利用促進策、放置問題の新たな発想による解決策等を手掛けるほか、まちづくりに関する法制的な規制、都市環境における環境共生のあり方等の調査研究を行っている。著書は、『欧米先進国にみる自転車政策の高度な取組み』(サイカパーキング)、『成功する自転車まちづくり−政策と計画のポイント』(学芸出版社、日本不動産ジャーナリスト会議賞著作賞、日本環境共生学会著述賞を受賞)など。
2012年11月号掲載
古倉 何と言っても、行政が自転車の車道での走行環境を整え、自転車利用者を優遇して支援することです。次に、「自転車ルールの学習」と「インセンティブ」です。現在、小・中・高校生に対しては、学校で自転車講習会を実施していますが、大学生・成人・高齢者に対しての教育は行われていません。ルール遵守を徹底するために、自治体主導の自転車教室などをもっと実施していくべきです。さらに、この受講を促すため、受講者に試験をして合格者には免許を与え、その免許を持っていれば、駐輪場が割引になるとか、あるいは商店街などと提携して、自転車で来店した人にはポイントや優待が受けられるようにするなど、何かしらのインセンティブを与えるのです。実際、免許を持っていれば、市営プールが無料で利用できるとしている自治体もあるんですよ。
こうした取組みにより、ルールをしっかりと守る自転車が増えれば、車も安心して自転車との共存を心掛けるようになり、また「自転車に乗ることはいい!」と考える人も増えていくのではないでしょうか。そうなっていけば、健康増進やエコにつながり、ひいては経済にもプラスになって、いい世の中をつくっていけると確信しています。
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アメリカの自転車標識の例。車道での安全を確保するために標識でルール遵守を促している〈写真提供:古倉宗治氏〉 |
──すばらしいお考えですね。最近は、電動自転車や高齢者向けの三輪自転車など、乗り手の多様性に合わせた自転車が増えて、大変便利になっています。あとは、自転車を取り巻く環境の整備が必要となりますね。自転車の明るい未来に期待したいと思います。
本日はありがとうございました。
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『成功する自転車まちづくり−政策と計画のポイント』(学芸出版社) |
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