こだわりアカデミー
ニワトリは紀元前から 日の出の前に、鳴いているんです
「コケコッコー」の仕組みを解明
東京農工大学農学部准教授
新村 毅 氏
しんむら つよし

1981年生まれ。2009年3月麻布大学大学院博士後期課程修了(特例による早期修了)。07年4月日本学術振興会特別研究員DC1(麻布大学)、09年4月同PD(名古屋大学)、13年6月基礎生物学研究所特任助教、16年11月より東京農工大学農学部准教授(日本学術振興会卓越研究員)に就任。
2017年1月号掲載
照明を調整しながら、コケコッコーのリズムを観察
──先生は動物行動学がご専門ですが、中でもニワトリが夜明け前に「コケコッコー」と鳴いて時を告げる仕組みを明らかになさったそうで、大変興味を持ちました。今年は酉年ということで、今回はぜひニワトリを中心にお話を伺いたいと思います。ところで、そもそもなぜ先生はニワトリに興味を持たれたのですか?
新村 私は子どものときの夢が「ドリトル先生」、動物と話せるお医者さんになることで、実は今でも本気で動物と会話したいと考えています。そのために動物の発声やコミュニケーションについて研究しています。その研究対象として最適なのがニワトリだったのです。
──なるほど。確かにニワトリはわれわれの身近にいますし、鳴き声も分かりやすいですね。
でも、ニワトリが鳴くのは単に明るくなるからだと思っていましたが…。
新村 そう思っている方は多いと思いますが、ニワトリは昔からある時刻になるとたとえ真っ暗でも「コケコッコー」と鳴くのです。
──「夜をこめて鳥の空音は謀るとも、世に逢坂の関は許さじ」という清少納言の歌がありますが、ニワトリは明るくなくても鳴くんですね。
新村 はい。むしろ夜明け前の暗いうちに鳴きます。古くはインダス文明(紀元前2600~1800年)の時代から、ニワトリが時計代わりに利用されていたと言われるほどで、世界中でよく知られた性質です。
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ニワトリは、古くはインダス文明の時代から時計代わりに利用されていた〈写真提供:新村毅氏〉 |
──先生は、その研究でアメリカの科学雑誌『カレント・バイオロジー』などにも論文が掲載されたそうですね。具体的にはどういう研究だったのですか?
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