こだわりアカデミー
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東海地震を予知する
東京大学名誉教授
溝上 恵 氏
みぞうえ めぐみ

1936年、新潟県生れ。61年東京大学理学部地球物理学科卒業。66年同大学大学院理学系研究科博士課程終了後、同大学地震研究所助手、75年助教授、85年教授に。また同年、地震防災対策強化地域判定委員に就任し、96年より同判定会会長を務める。97年に東京大学を退官し、現在、同大学名誉教授。主な著書に『地震のなぞを追う』(86年、ポプラ社)、『大地震は近づいているか』(92年、筑摩書房)など。
1999年11月号掲載
兵庫県南部地震以来、「地盤」に関心を持つ人が
──事態がこのように深刻化しているにもかかわらず、私達は他人事のように思っている節があります。
溝上 確かに日本人は、「日本は危険な国だ」ということを忘れていますね。身近に大きな地震が起こると思い出したように地震に関心を持ちますが、ちょっと時間が経つとその関心は薄れる。
ただそういう中で、兵庫県南部地震以来、地震そのものではないんですが、「地盤」に対して関心を持つ人は多くなったように思います。確かに神戸では、地盤が弱いところと強いところで、被害に明らかな差が出たため、地盤というものが改めて認識されるようになったのです。講演などで各地へ行くと「今度家を建てるんだけど、どこがいい?」なんて地図を持ってくる人が結構いらっしゃるんです。
──東海地震ばかりでなく、日本に住む以上、地震からは逃れられません。でも、ある程度対策を講じることはできますね。
溝上 そうですね。事前にできることはたくさんあります。地盤が弱いところだって、地盤を固めるとか、建物の基礎を深くするなどで被害を軽減できます。
建物の耐震性も重要で、自分の家の耐震性はどれくらいか知り、弱かったら補強する。これは自分のためだけではなく、住宅の密集地であれば近隣の家々の安全にもつながるんです。
地震大国の一つである日本は、生活をしていく上でとても危険な国です。でも、知恵を絞ってさまざまな手を尽くせば、阪神・淡路大震災のような致命的な災害を大幅に軽減できることを知ってもらいたいですね。
──トルコ、台湾では多くの方が犠牲になられ、お気の毒でした。一日も早い復興を願うとともに、こうした事例を教訓に、我々もいざという時の備えを国任せではなく、個人個人でも心掛けていきたいですね。先生方専門家にも、より確度の高い予知をしていただけるよう期待しております。
本日はありがとうございました。
※溝上 恵先生は、2010年1月4日にご永眠されました。生前のご厚意に感謝するとともに、慎んでご冥福をお祈り申し上げます(編集部)
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