こだわりアカデミー
犯罪者プロファイリングは、 捜査だけでなく、防犯にも役立ちます。
地域防犯に応用される犯罪者プロファイリング
関西国際大学人間科学部教授
桐生 正幸 氏
きりゅう まさゆき

1960年山形県生れ。文教大学人間科学部人間科学科心理学専修退学、学位授与機構より「学士(文学)」、ポリグラフ検査の研究により「博士(学術)」を取得。山形県警察本部科学捜査研究所主任研究官を経て現職。同大防犯・防災研究所長。日本犯罪心理学会理事、日本応用心理学会理事、日本法科学技術学会評議委員。主・共著に『犯罪捜査場面における虚偽検出検査の研究』、『ウソ発見』、『犯罪に挑む心理学』、『幼い子どもを犯罪から守る!』(いずれも北大路書房)、『嘘と騙しの心理学』(有斐閣)、『応用心理学事典』(丸善)。役に立つ犯罪心理学実践に向け、ポリグラフ検査、犯罪者プロファイリング、子供の防犯など、広範囲な研究・調査を実施している。趣味は詩を作ることとおいしいラーメン探し。
2009年11月号掲載
桐生 もともと大学で心理学を専攻していたのですが、心理学の仕事となると、実際のところ、公務員くらいしかないんです。
それで、児童相談所かどこかに就職できたら、なんて思って試験を受けていたのですが、選考が進んでいくうちにだんだん警察の制服を着た人が多くなって・・・、募集要項をよく見直してみたら警察本部だったんです(笑)。
でも、やってみると大変おもしろい。社会一般的に「現場は宝の山」なんてよくいわれていますが、犯罪捜査においてもそれが当てはまるんです。現場で得たものを研究し、研究を現場に返す。現場が本当に大好きでした。
とはいえ、人生は一度きり。別の仕事もしてみたいと、ちょうどお話をいただいたこともあって、今は大学で研究をしています。
──そうだったのですか。とはいえ、大学では現場の情報は得られませんね。
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関西国際大学の学生と作成した防犯絵本『にゃん にゃん にゃんたとコウノトリ』。関西国際大学ホームページ(http://www.kuins.ac.jp/ kuinsHP/extension/gendaigp/pdf/h18_ bousaiehon.pdf)でも見ることができる〈画像提供:桐生正幸氏〉 |
桐生 ええ。ただ、努力次第では、地方自治体のデータをお借りするなど、間接的だけれども、周辺のデータを集めて研究を進めることもできるんですよね。
──例えば?
桐生 現在、保護者の携帯メールなどに「不審者情報」などを送信するといった取組みがありますが、ただ「不審者がどこどこに発生しました」と情報を流すだけではなく、犯罪者プロファイリングを応用して、次はどういった地点が危険なのか、どのような対策をとればいいのかなど、情報を意味付けられるプログラミングの開発・研究も、今後やりたいと考えているんです。
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住民による防犯のフィールドワーク風景〈画像提供:桐生正幸氏〉 |
──子どもを犯罪から守る「こども110番」などの活動などともリンクできそうですね。
桐生 そうですよね。
子どもはたとえ防犯ブザーを持っていて、「知らない人に声を掛けられても無視しなさい」といわれそれを守っていたとしても、悪意のある大人が本気で子どもを陥れようとしたら、どうやっても自分で身を守ることができません。
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桐生正幸氏が作成した『地域防犯活動プログラムの手引き』 |
やはり地域の大人が子どもをきちんと守っていかなくてはいけないし、子どもにとっても地域の大人が自分達を守ってくれているという安心感、ひいては人間への信頼感を持ってもらいたいのです。
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米国シアトル市内に貼り出されている地域防犯のポスター。地域住民の目があることを示している〈画像提供:桐生正幸氏〉 |
──確かに。
物騒な世の中になり、「安全」「安心」への関心が高まる中、先生にはますますご活躍いただきたいと思います。
本日は、どうもありがとうございました。
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