こだわりアカデミー
本対談記事は、アットホーム(株)が全国の加盟不動産会社に向け発行している機関紙「at home time」に毎号掲載の同名コーナーの中から抜粋して公開しています。宇宙科学から遺伝子学、生物学、哲学、心理学、歴史学、文学、果ては環境問題 etc.まで、さまざまな学術分野の第一人者が語る最先端トピックや研究裏話あれこれ・・・。お忙しい毎日とは思いますが、たまにはお仕事・勉学を離れ、この「こだわりアカデミー」にお立ち寄り下さい。インタビュアーはアットホーム社長・松村文衞。1990年から毎月1回のペースでインタビューを続けています。
聞き手:アットホーム株式会社 代表取締役 松村文衞
活性成分がなくても 暗示効果や安心感でかなりの改善例が
「プラセボ」は偽薬ではなく“喜薬”
東京有明医療大学保健医療学部特任教授
津谷 喜一郎 氏
つたに きいちろう

1950年福井県生まれ。72年東京工業大学工学部経営工学卒業。79年東京医科歯科大学医学部卒業、医学博士。北里研究所附属東洋医学総合研究所、WHO西太平洋地域事務局初代伝統医学担当医官、ハーバード大学武見記念国際保健プログラム研究員、東京医科歯科大学難治疾患研究所助教授を経て、2001年より東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学特任教授。15年4月より東京有明医療大学保健医療学部特任教授および東京大学大学院薬学系研究科客員教授。
2017年4月号掲載
──なぜ漢方薬で?
津谷 私は医学部の学生時代、東洋医学に強い関心を持ち、西洋医学以上にのめり込んで学びました。その際、漢方薬が西洋医学の薬と比べて医学界での評価が低いのは、臨床試験による裏付けが少ないためだと感じ、なんとか評価を高めたいと思ったのです。
──なるほど、そういうご事情で…。
津谷 フレーバーの製造会社などにも協力してもらい、実験計画法にもとづきプラセボ漢方エキス製剤づくりに成功しました。そこからプラセボを使った新薬の臨床試験や質評価を含めて40年近く関わっています。その過程で、プラセボには無視できない効果があることに気付き、さまざまな医療技術におけるプラセボ効果も研究するようになったのです。
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漢方エキス製剤のプラセボは、実薬とプラセボ、双方実薬、双方プラセボという組合せのペアを用いて、人間の視覚や味覚などの感覚器官を用い、統計学的な手法でつくり出していく〈写真提供:津谷喜一郎氏〉 |
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漢方薬のプラセボづくりで、味を確認している様子〈写真提供:津谷喜一郎氏〉 |
近況報告
津谷喜一郎先生は、2021年12月に東京有明医療大学を退職されました。
関連ページ
津谷先生のプラセボに関する講演が「東大TV」でご覧いただけます。
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